輪郭

無限だと思っていたあの頃とは違う。
有限だと知ってからが人生の始まりで希望を照らす朝日と絶望を縁取る夕日を見ながら日々を過ごす。
「じゃあまたね」
なんて言葉も無くあたかも予定通りかのようにいなくなった君。
なんてドラマみたいな展開も無く過ぎていく毎日に感謝しながらも悲しいくらい悲しいことがない今日に退屈を感じていたりもする。
きっとみんなそうだ、そうやって言い聞かせて都営新宿線に揺られる。
このまま降りずにどこか遠くへ行ける勇気を生憎僕は持ち合わせていない。今日生きるだけの小さな希望を見つけてまたいつも通りバスに乗り換える。
あの頃みていた未来とは違うかもしれないけど、ちゃんと幸せです。

前田雄也